水産業の未来を変えるためにCHANGE

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水産業の今

現在、世界の水産資源量の80%が生物学的に獲っても良いとされる限度以上に漁獲されています*1。
日本でも水産庁が、80%以上を「過剰漁業」「適切な漁獲量を超える限界」と評価しています*2。
一方で、世界の人口は増え続け、2050年には97億人に達すると言われています*3。
人口増加に伴い水産物の需要も高まっているため、水産資源そのものの持続可能性を向上させることが世界的に必要とされています。

水産資源の減少は環境だけでなく社会にも影響を及ぼします。漁獲量が減ると漁業者の収入が減り、後継者が不足し、その減ってしまった漁獲量を増やすためにさらに獲ろうとする、という負のスパイラルが生まれてしまいます。こうしたことを長年続けてきた結果、現在日本では漁業者16万人のうち約40%が65歳以上、39歳以下は約18%となってしまいました*2。

解決策となり得るサステナブル・シーフード

このように危機的な状況にある水産資源は、適切に管理しなければこれからも減り続けてしまいます。そこで解決策となるのが、サステナブル・シーフードです。サステナブル・シーフードとは、①科学的なデータを基に資源量が適切に管理されている、②生態系への負荷が小さい方法で漁獲・養殖されている、③IUU漁業が行われていない、④従業員の労働環境など、水産資源や環境そして社会に配慮した、持続可能な漁業で漁獲・養殖された水産物のことです。

サステナブル・シーフードを広めるムーブメントは1990年代ごろから欧米を中心に始まり、サステナビリティを担保するスキームの一つであるエコラベルがついた水産物が市場に次第に流通するようになりました。中でも、漁業に対するMSC認証や養殖に対するASC認証、BAP認証が広く知られています。

サステナブル・シーフードとSDGs

サステナブル・シーフードの認知度が徐々に高まる中、2015年に「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連全会一致で採択されました。SDGsは深刻化する環境課題などを17の目標、169の項目に分けた、全世界が取り組む行動指針となるものです。

このうち目標12番「つくる責任、つかう責任」では、持続可能な消費と生産のパターンと市場を確保しビジネスの発展と課題解決を両立させることが、目標14番「海の豊かさを守ろう」では、水産資源や水産業に関わる人々の生活を守ることが定められています。

海の豊かさを守るには

水産の問題に直結するSDGs14番では例えば海洋汚染について触れられています。
その一因であるプラスチックなど海洋ごみの約8割は、私たちの日常生活から発生しており、見えない場所で海の生態系や漂着した沿岸地域の環境を脅かしています*4。
また、私たちの食卓にならぶ美味しい魚たちは、再生産のペースに間に合わないほどの過剰な量を漁獲されています*1。

ではこれからも豊かな自然と環境を守りながら美味しい魚たちを食べ続けるためにはどうしたら良いのでしょうか。目標12番にあるようにまずは日々のライフスタイルを見直し、目標14番で薦められている持続可能な水産物であることを担保されているサステナブル・シーフードを買うことで、私たちの未来が明るいものになっていくのかもしれません。

ショクリューにできること

海の豊かさを守ることにつながる、サステナブル・シーフードを皆さまにお届けするためには、生産者とマーケットがつながらなければなりません。流通業者であるショクリューの役割は、その生産者とマーケットの間に立ち、双方が密接に関わりながら持続的につながってゆくお手伝いをすることです。

海外や国内のMSC・ASCやBAPやMEL認証を取得した生産者とともにマーケットに合った商品作りに取組み、主体的に買付け、その商品をレストランやホテルやスーパーなどのお客様にサステナブル・シーフードとしてご案内し、最終的に消費者の皆様にお届けする。

ショクリューは、国内有数の水産物流通企業としての責任と役割を理解し、お客様のパートナーとして共に持続可能な水産業と社会づくりに貢献します。

  • *1FAO “The State of World Fisheries and Aquaculture 2018”
  • *2水産庁「平成30年度水産白書」
  • *3PopulationPyramid.net
  • *4環境省「海洋ごみをめぐる最近の動向」(平成30年9月)